一見同じ教科のように思える内容でも、小学校と中学校で教科の名前が違うものがあります。
それは、「数学」と「算数」です。
他の教科は同じ名前なのに、どうして「数学」と「算数」と教科の名前が変わるのでしょうか?
ある本を見て、なるほどとおもわず納得してしまいました。
小学校では習わない「つるかめ算」どうやって解く?
中学受験のコースを見ると、学校では学習しないような単元(例えば、つるかめ算)がでてきます。
つるかめ算というと、大人の人の場合、中学で学習する二元一次方程式で解くことを真っ先に思いつくことでしょう。
鶴をx匹、亀をy匹とおけば、頭の数はそれぞれ1、足の数は2と1なので、
x + y = ??
2x + 4y = ??
と式を立てて計算します。
??の部分は問題によって変わってきます。
xだのyだののかわりに、○や△といった記号で置き換えたりするのも、結局の所、二元一次方程式で解くことと全く同じことです。
でも、小学生に連立方程式という概念は通用しませんので、別の方法で解くことになります。
それは、
面積図
という方法です。
この方法を見たときに、おもわずうなってしまいました。
頭の中でイメージしやすいので、暗算でも解きやすいからです。
8年ほど前に出版された本にこのような言葉がありました。
「数学は『システム』です。誰がいつといても解ける再現性がある。それに対して算数はその場での『知恵比べ』ですね。」
中学受験SAPIXの算数 杉山由美子・清水昭弘共著 Gakken P.14より引用
確かに二元一次方程式で解こうとする方法はシステムですし、面積図で解こうとする方法は面積ではないものを面積と見立てて解く知恵比べです。
面積図なんて、思いつかなければ使わないですよね・・・。
これが、「数学」と「算数」の違いだということに気付かされました。
どうして学校で習わない問題がでてくるの??
中学でつるかめ算は必ず出てきます。
そのほかにも中学で学習する内容がでてきます。
でも、算数としての解法を見ると、小学生でも解ける方法なんですよね。
ただ、「発想」できないと解けることができないということが問題なんです。
これを数学のセンスというみたいです。
確かに、訓練すれば問題を解けるようになってきますから、センスですね。
センスは、必ずしも天性生まれ持ったものではなく、その道の訓練をすることによって伸びるものです。
ただし、無意識に学習しているときにも養われていくものですから、その部分だけを着目してしまうと、天性生まれ持ったものがセンスであると誤解してしまう訳なのです。
ただ、こうした小学校で学習しない単元が出てくるのは、おそらくその先の目標を見据えたものではないかと推測しています。
その先の目標は「大学受験」です。
トップの大学に行けば行くほど、未知の問題が出たときにどれだけ解くことができるかが問われています。
すなわち、誰も見たことのない問題が出てくるというわけです。
その後、トップの大学で出題された傾向が徐々に周りの大学に広がっていくことが多いのです。
未知の問題では、「数学」という武器を使いながら、「算数」というその問題を解くための発想が必要になります。
中学からは数学が中心になりますので、小学生のうちに「算数」の発想法を身につけておく必要があるのです。
だからこそ、小学校で学習しない問題が中学受験で出るのではないかとひなたパパは推測しています。
知恵比べという「発想」ができるようになるために今できること
長男君が中学受験をするかどうかは別として、算数の発想ができるようになるために今できることはやっておくのが得策だと考えています。
いま長男君がやっているのがこちら。
将来の場合の数やの問題を解くときに必要な力や、図形問題でできると便利な補助線が見えてくるような力を養うことのできる問題がさりげなく入っている、なかなかの良問です。
さらに、複雑な条件を処理していく力もついていきます。
長男君は、勉強している感覚ではなく、遊び感覚で難しい問題にチャレンジといったところでしょうか。
遊び感覚で算数の感覚を身につけることができれば、これから先の算数の力もついてくるのではないかと思っています。
今は先取り学習よりも、算数感覚を身につけることを優先しています。
それでは、また。